本記事にはPR・広告が含まれます
「突然くるくると同じ方向に回り始めた」「頭が傾いて目が激しく揺れている」「認知症?それとも他の病気?」
老犬がくるくると回り続ける症状は、飼い主さんを非常に驚かせます。この症状には大きく2つの原因があります。「前庭疾患」と「認知症」です。どちらも見た目は似ていますが、原因・経過・対処法が全く異なります。正確に見分けることが適切な対応への第一歩です。
「くるくる回る」の原因を見分ける
前庭疾患によるくるくる回る動き
前庭疾患は耳の奥にある平衡感覚を司る器官(前庭)の異常です。老犬に突然発症することが多く、「突発性前庭疾患(老犬前庭症候群)」は10歳以上の老犬に特に多い病気です。
前庭疾患の特徴的なサイン:
- 突然発症する(昨日まで普通だった)
- 一定方向に同じ軌道でくるくる回る
- 目が激しく揺れている(眼振)
- 首が一方向に傾いている(斜頸)
- ひどいめまいで立てない・嘔吐する
- 発症後数日〜数週間で改善することが多い
認知症によるくるくる回る動き
認知症(認知機能不全症候群)による徘徊・くるくる回る動きは、脳の老化によって方向感覚・空間認識が失われることで起こります。
認知症による徘徊の特徴的なサイン:
- じわじわと症状が出てきた(突然ではない)
- 目の焦点が合っていない・ぼんやりしている
- 眼振・首の傾きはない
- 夜間に特にひどくなる
- 名前を呼んでも反応が薄い
- 同じ場所を延々と歩き回る・止まれない
見分けのポイントまとめ
最も重要な見分けポイントは「目が激しく揺れているか(眼振)」と「突然発症したか」です。
- 目が激しく揺れている+突然発症 → 前庭疾患の可能性が高い
- 眼振なし+じわじわ進行 → 認知症の可能性が高い
ただし自己判断は危険です。脳腫瘍・脳梗塞でも同様の症状が出ることがあります。必ず動物病院で診断を受けてください。
前庭疾患の経過と治療
突発性前庭疾患は、見た目は非常に重篤に見えますが、多くの場合は時間とともに改善します。発症後72時間以内に症状がピークを迎え、その後数日〜数週間で回復することが一般的です。
ただし以下の場合は脳疾患(脳腫瘍・脳梗塞・脳炎)の可能性があり、治療が必要です。
- 症状が日に日に悪化している
- 72時間経っても全く改善しない
- 眼振が上下方向に動いている
- 意識がない・痙攣している
動物病院では点滴・制吐剤・抗めまい薬などの対症療法が行われます。
自宅でできるケア
前庭疾患の場合
- 安静を保ち、刺激の少ない環境を作る
- 転倒・けがを防ぐためにサークルで囲む
- 水・食事を与えるときは嘔吐に注意しながら少量ずつ
- 自力で立てない場合は体位変換・床ずれ対策を行う
- 数日で回復が見られることが多いので焦らず見守る
認知症の徘徊の場合
- 円形のサークルで安全な徘徊スペースを作る(壁にぶつかりにくい)
- 家具の角・段差・危険な場所をふさぐ
- 昼間の日光浴・適度な運動で夜間の徘徊を軽減する
- 症状が重い場合は動物病院で薬の処方を相談する
まとめ
老犬がくるくる回る原因は「前庭疾患」と「認知症」の2つが主なものです。眼振・突然発症なら前庭疾患、じわじわ進行・眼振なしなら認知症の可能性が高いです。
前庭疾患は多くの場合、時間とともに改善します。しかし脳疾患との鑑別が必要なため、必ず動物病院で診断を受けてください。認知症の場合も早めの対応が進行を遅らせることにつながります。

