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「最近、愛犬が体をよく掻くようになった」「皮膚が赤くなっていたり、フケが増えた気がする」「毛艶が悪くなって、薄い部分が出てきた」――老犬になると、皮膚に関するトラブルが増えやすくなります。犬の皮膚病はおよそ4頭に1頭が経験するとされる身近な問題ですが、老犬では加齢による皮膚バリア機能の低下・免疫力の衰え・ホルモン変化が重なることで、さらにトラブルが起こりやすくなります。この記事では、老犬に多い皮膚トラブルの原因と種類、自宅でできるケアのポイントを解説します。
なぜ老犬は皮膚トラブルが増えるのか
老犬の皮膚がトラブルを起こしやすくなる主な理由は次の通りです。
- 皮膚バリア機能の低下:加齢とともに皮膚の水分保持力が落ち、乾燥しやすく外部刺激(細菌・真菌・アレルゲン)が侵入しやすくなる
- 免疫力の低下:皮膚の感染症に対する抵抗力が弱まり、細菌・真菌が増殖しやすくなる
- ホルモンバランスの変化:甲状腺機能低下症・クッシング症候群など加齢に伴うホルモン疾患が皮膚症状として現れることがある
- 皮脂分泌の変化:皮脂が過剰になったり逆に不足したりして、皮膚のバランスが乱れやすくなる
- 血行不良:寝たきりや運動量の低下によって皮膚への血流が悪くなる
老犬に多い皮膚トラブルの種類
膿皮症(のうひしょう)
皮膚に常在する黄色ブドウ球菌が異常増殖することで起こる細菌性皮膚炎です。老犬は免疫力が低下しているため発症しやすく、皮膚の赤み・ニキビ状の湿疹・膿疱・リング状の脱毛・黄色いフケなどの症状が現れます。治療は抗生剤の内服と薬用シャンプー療法が中心となります。
マラセチア皮膚炎
皮膚に常在する真菌(マラセチア)が過剰増殖して起こる皮膚炎です。皮脂の分泌過多になりやすい老犬やアレルギー体質の犬、甲状腺機能低下症・クッシング症候群などの持病がある犬で起こりやすいとされています。独特のにおい・脂っぽいフケ・皮膚の赤み・かゆみ・皮膚の黒ずみなどが主な症状です。抗真菌薬の内服やシャンプー療法で治療します。
皮膚の乾燥・フケ
老犬は皮膚の水分保持力が落ちるため、乾燥肌(乾性脂漏症)になりやすくなります。大量のフケ・皮膚のガサガサ感・かゆみが症状として現れます。保湿成分配合のシャンプーや保湿スプレーの活用が有効です。
ホルモン性皮膚炎(内分泌疾患による脱毛)
甲状腺機能低下症やクッシング症候群などのホルモン疾患が原因で、左右対称の脱毛・皮膚の黒ずみ(色素沈着)・皮膚の肥厚などが起こることがあります。かゆみが少ないのが特徴です。皮膚だけでなく内分泌系の治療が必要になるため、動物病院での検査が欠かせません。
接触性皮膚炎・アレルギー
シャンプー・洗剤・草・金属など特定の物質に触れることで起こる皮膚炎です。原因物質を特定して避けることが治療の基本になります。また食物アレルギーによる皮膚炎は年中続くかゆみが特徴で、フードの変更(除去食試験)によって原因食材を特定します。
皮膚トラブルのサインを見逃さないために
次のような変化が見られたら、早めに動物病院で確認しましょう。
- 頻繁に体を掻く・舐める・噛む動作が増えた
- 皮膚に赤み・ブツブツ・湿疹・膿疱が現れた
- フケが増えた・皮膚が油っぽくなった・強いにおいがする
- 毛が抜ける・薄くなった部分がある(特に左右対称の場合)
- 皮膚が黒ずんだ・厚くなってきた
こうした変化は複数の病気が原因として考えられるため、自己判断で市販の薬を使い続けるより、早めに受診して原因を特定してもらうことが大切です。
自宅でできる皮膚ケアのポイント
適切な頻度でシャンプーする
洗いすぎは皮脂を落としすぎてバリア機能を低下させ、洗わなさすぎは皮脂・汚れの蓄積で細菌・真菌が繁殖しやすくなります。老犬のシャンプーは2ヶ月に1回を目安に、低刺激・保湿成分配合のシャンプーを使いましょう。
日常的に体を拭いて清潔を保つ
蒸しタオルやノンアルコールのウェットティッシュで体を拭くことで、汚れや湿気を取り除いて皮膚トラブルの予防につながります。特に耳の内側・肛門周り・指の間・脇など蒸れやすい部位を重点的に拭きましょう。
食事で皮膚の健康を内側からサポートする
オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は皮膚のバリア機能をサポートし、皮膚の炎症を和らげる効果が期待できます。鮭・さば・いわしなどの青魚や、オメガ3脂肪酸を含むサプリメントを取り入れることが皮膚ケアに役立つとされています。
保湿ケアを取り入れる
乾燥が気になる場合は、ペット用の保湿スプレーやクリームを活用しましょう。特に乾燥しやすい肘・かかと・肉球周りへの保湿は、皮膚の乾燥を防ぐだけでなく床ずれ予防にもつながります。
まとめ
老犬は皮膚バリア機能の低下・免疫力の衰え・ホルモン変化が重なることで、皮膚トラブルを起こしやすくなります。かゆみ・フケ・脱毛・皮膚の赤みなどの変化に早めに気づき、自己判断で対処せずにかかりつけの獣医師に相談することが大切です。日頃のシャンプー・清拭・食事・保湿などのケアを丁寧に続けることが、皮膚の健康を守る大きな助けになります。

