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「最近、老犬のうんちが柔らかくなったり固くなったりして安定しない」「下痢が続いていて心配」「何日もうんちが出ていない」――老犬の排泄の変化は、加齢に伴う消化機能の低下だけでなく、病気のサインである場合もあります。老犬は若い犬に比べて消化器が弱くなり、便秘・下痢どちらも起こりやすくなります。この記事では、老犬が便秘・下痢になりやすい理由と、それぞれの原因・対処法・受診の目安を解説します。
老犬が便秘・下痢になりやすい理由
老犬の消化器系は加齢とともに次のような変化が起こり、便通が乱れやすくなります。
- 消化酵素・消化液の分泌量が減り、食べ物の消化・吸収力が低下する
- 腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱まり、便の移動がゆっくりになる
- 腸内細菌のバランスが崩れやすくなる
- 水分摂取量が減り、便が硬くなりやすくなる
- 運動量の低下により腸の働きが弱まる
- 免疫力の低下で腸内細菌のバランスが乱れやすくなる
老犬の便秘:原因とサイン
老犬の便秘(2日以上うんちが出ない・うんちが固くて小さいなど)の主な原因として次のことが挙げられます。
- 水分不足:飲水量の減少により便が硬くなりやすい
- 運動不足:腸の動きが低下して便秘になりやすい
- 食物繊維の不足:腸内での便のまとまりが悪くなる
- 薬の副作用:抗ヒスタミン薬・利尿剤・抗コリン薬などが便秘を引き起こすことがある
- 脱水・腎臓病:腎臓が水分を取り込もうとして腸の水分が奪われる
- 前立腺肥大(未去勢の雄老犬に多い):大きくなった前立腺が直腸を圧迫して便が出にくくなる
- 腸内の腫瘍・ポリープ:腸を狭めてしまう
便秘のサインと受診の目安
2〜3日うんちが出ない、排便姿勢を取るのに時間がかかる・苦しそうにいきむ、うんちが非常に小さく硬い、食欲がない・嘔吐しているなどの様子が見られたら、動物病院を受診しましょう。自己判断での下剤使用は、腸閉塞などのリスクがある場合に悪化させることがあるため控えましょう。
便秘への対処と予防
- 水分補給を増やす:フードをふやかす・ウェットフードを取り入れる・水飲み場を増やすなど
- 適度な運動を続ける:短い散歩を複数回に分けて行うだけでも腸の動きを促す
- 食物繊維を取り入れる:かぼちゃ・さつまいも・さやいんげんなどの野菜を少量加える(持病がある場合は獣医師に相談)
- お腹を優しくマッサージする:時計回りに手のひらでお腹を円を描くようにマッサージすることで腸の動きを促す効果がある
老犬の下痢:原因とサイン
老犬の下痢は様々な原因で起こります。日常的によく見られるものから、病気が隠れているものまで幅広いため、症状とあわせて原因を確認することが大切です。
よくある原因
- 食事の急な変更・食べすぎ・おやつの与えすぎ
- 冷え(エアコンの効きすぎ・冷たい食事・散歩後の体温低下)
- ストレス(旅行・来客・生活環境の変化など)
- 季節の変わり目・気圧変動
- 腸内細菌のバランスの乱れ
病気が原因の場合
- 炎症性腸疾患・アレルギー性腸炎
- 腫瘍・膵外分泌機能不全
- 腎臓病・肝臓病・クッシング症候群・甲状腺機能低下症などの全身疾患
- 感染症(細菌・ウイルス・寄生虫)
- 薬の副作用(抗生物質・抗がん剤など)
老犬の場合、腫瘍や炎症性腸疾患・全身疾患に伴う下痢も多く見られます。下痢が数日続いたり、繰り返したりする場合は、原因となる疾患がないかを調べることが重要です。
下痢のときの自宅での対処
老犬の場合、成犬のように「絶食・絶水」は脱水や低血糖のリスクがあるため行わないようにしましょう。消化に優しいフード(ウェットフード・ふやかしたドライフード)を少量ずつ与え、こまめに水分を補給します。乳酸菌サプリ(整腸剤)が役立つこともありますが、薬の服用前にかかりつけの獣医師に相談するのが安心です。
すぐに受診すべき下痢のサイン
次のような場合は、様子を見ずに早めに動物病院を受診してください。
- 血便・黒いタール状の便が出ている
- 嘔吐を伴う下痢が続いている
- 元気がなくぐったりしている・食欲がまったくない
- 1日に何度も水様便が続く
- 2〜3日以上下痢が改善しない
- 持病があり、投薬中でも下痢が続く
腸内環境を整えるための日常ケア
老犬の消化器の健康を保つには、食事・ストレス・冷えの3点を意識することが大切です。消化に配慮したシニア用フードを使い、食事時間と量を規則的に保ちましょう。乳酸菌を含むサプリメントやヤギミルクを少量取り入れることも腸内環境のサポートになります。また、体を冷やさないよう室温管理にも気を配り、無理のない範囲での軽い運動を毎日続けることが腸の動きを維持するために大切です。
まとめ
老犬は消化機能の低下・腸内環境の乱れ・運動不足・水分不足などによって、便秘・下痢どちらも起こりやすくなります。軽い症状であれば食事・水分・運動の見直しで改善することもありますが、血便・嘔吐・元気消失を伴う場合や、数日以上改善しない場合は自己判断せずに早めにかかりつけの獣医師を受診しましょう。老犬の排泄の変化は、病気の早期発見のサインになることもあります。

